ニュースで新しく LINEMOが付き990円のプランを発表したということで話題になっています。 今までは月2,480円の20GBのプランがあり、それが昨今のスマホの料金を下げるというミッションに基づいて作られたプランとなっていました。
それが今回、2021年7月15日より新プラン提供開始ということで月3GBの容量でわずか900円、税込だと990円というプランを発表したのです。
これまで2,480円、音声通話5分間の無料分をオプションで付けて約3,000円前後というのが3大キャリアの統一に近づいた価格でこれをもって終了すると思われたのが今回の発表によってまた競争が始まる可能性が出てきたということです。
ユーザーの大半は3GB以下の利用
このプランが出てきたポイントとしては世間一般の利用者は月に3GB以下しか通信を利用しない人がたくさんいるということです。
いくらスマホでの通信が増えたとしても自宅にはwi-fi環境が設定されているという家が今ではほとんどかと思われます。街中にも少しずつではありますが無料wi-fiが普及してきているというところもありますし、会社でも仕事で使う人であればwi-fiが設置してあるというのは普通になってきています。
あらゆるところでwi-fi環境が設定されているとすると実際のスマホで4G通信もしくは5G通信をするのは移動中くらいのものであり実はそこまでスマホ側で通信量を支払って通信をする理由がなかったりします。
今ではテレワークで1日の大半を自宅内で過ごすという人も増え、その人達にとっては自宅をwi-fi環境で設定してしまえば後はスマホで通信料を使って通信をするなんてことはほぼないなんてことも全く珍しくなくなりました。
従来の20GBの通信容量で使うにはあまりにも容量が余りすぎる。容量が余ったからといって繰り越しできるわけでもないしその分お金が還元されるわけではない。そういうわけで少ししか容量を使わない人にとってはこの20GBのプランはただ余るだけでメリットを感じにくいプランでもあったのです。
あえてそのプランにしていたのでは?
ここで疑問に思うのは最初から20GBなんて使わないことはわかっていてあえてその1プランにしていたのではないかということです。
以前政府からの強い値下げ要望があって各種ともに値下げを余儀なくされたというのは周知の事実です。今までは月々5,000円や6,000円ぐらいの金額を払うのは当たり前であり、中にはスマホの料金が月1万円近く払っている人というのも決して珍しいレベルではありませんでした。
それがスマホ料金の改革によって月々3,000円程度に下がったわけです。消費者としては当然これは嬉しいことになりますが、 企業側としてはいきなりここまでの値下げになるのは相当な打撃があったことが想像できます。
いくらオンライン専用のプランになったからといって人件費が削減できるかもしれないといってもそのレベルというのも限度はあるでしょう。これまでが儲けすぎだったということもいえるかもしれませんが、利益を追求するビジネスとしてはあくまで事業者側としてはそれは当然の話であり大幅に利益を削られるようなことは大変なことだったと思われます。
だからこそあえて使いきれもしない20GBという容量に設定して価格は低下したといってもそのレベルの価格で押さえるという目的もあったのではないかと思われます。
正直20GBの価格でさすがに限界だと思い、またその料金体系で納得していました。
それが今回月3GBで990円というプランであれば一体どこで利益を得ようとしているのかということも心配に思えてしまいます。
新規客が取り込めるのか
990円のプランという安すぎるプラン、1,000円を切ってしまうような格安の料金を出すことによって新たに新規客を取り込むことができるのでしょうか。この格安プランを用意することによって既存の2,480円を支払ってきた人がこのプランに移行してしまうと明らかに赤字になるだけです。
このプランで利益を取っていくには今まで他のキャリアであったり格安SIMを使っていた人がこのプランに移動してこなければ意味がないということになってしまいます。
ただ今現在一ヶ月1,000円程度しかスマホに使わないような人達。移る人達がいないとは言いませんが この料金だからということでわざわざ今からLINEMOに移ってくるという人は結構限られてしまうのはないかとも思われます。
すでに価格に敏感な人は移行済みであり、残った人はもう高い料金の方でいいか、高い料金で充実したプランを求めている人達なのか、 他の格安SIMで格安な料金をすでに契約しているため月々3,000円程度のプランには乗る必要性がなかった人達なのかということが考えられます。
格安SIMの安いプランを契約している人が今回LINEMOの価格改定によって今から変更するということはどれくらいあるのでしょうか。正直そこまで多くはないのではと思えるのと、たとえ移ったところでその利益が薄すぎるのではないかということ。
そしてこの異常な価格競争は既存の格安SIM業者いじめ、業者の淘汰に繋がってしまうようなことなのではないでしょうか。
消費者にとってはスマホ料金が安くなるというのはいいことでしかありませんが、企業側や携帯全体のことを考えて今からこの範囲で競争するというのは果たして正しいのか疑問を感じてしまうところはあります。