単純にその商品が好きだからその業界に就職する、これは正しくない

就活ノウハウ

就職活動を始めると、多くの人が「好きな商品を扱っている会社で働きたい」と考えるものです。私も学生時代、そんな風に思っていました。でも、社会人になって数年が経った今、その考えが必ずしも正しくないことに気づきました。むしろ、単純に好きな商品があるからその業界に飛び込むのは、キャリアの選択肢を狭めてしまう可能性があると感じています。

 

今回は、私の経験を交えながら、なぜ「好きだから」という理由だけで業界を選ぶのが適切でないのか、そしてどのような視点で就職先を選ぶべきなのかについて考えてみたいと思います。

 

好きな商品≠良い職場環境

まず最初に強調したいのは、好きな商品を扱っているからといって、必ずしも良い職場環境が保証されるわけではないということです。私は大学時代、ある有名なスマートフォンメーカーの製品が大好きで、その会社に入社することが夢でした。幸運にも内定をもらい、晴れて入社。しかし、現実は甘くありませんでした。

 

確かに、自分が愛用している製品に関わる仕事ができるのは嬉しいことでした。でも、長時間労働や厳しいノルマ、上司とのコミュニケーションの難しさなど、職場環境には多くの課題がありました。好きな商品を作っている会社だからといって、必ずしも働きやすい環境が整っているわけではないのです。

 

むしろ、人気のある商品を扱う企業ほど、競争が激しく、従業員に対する要求も厳しくなる傾向があります。「好きだから頑張れる」と思っていましたが、現実はそう単純ではありませんでした。

 

視野の狭さが将来のキャリアを制限する

次に考えたいのは、「好きな商品」だけにフォーカスすることで、キャリアの可能性を狭めてしまう危険性です。私の友人に、ゲーム好きが高じてゲーム会社に就職した人がいます。彼は確かに夢を叶えたかのように見えました。しかし、数年後、彼は悩んでいました。

 

「ゲーム以外の業界のことをほとんど知らないまま社会人になってしまった。今になって、もっと広い世界があることに気づいたけど、転職するにも他の業界のことがわからない」と。

 

これは重要な点です。私たちが学生の時に「好き」だと思っている商品や業界は、実は非常に限られています。社会に出てみると、BtoBビジネスや、普段目にしない産業など、実は魅力的な仕事がたくさんあることに気づきます。しかし、最初から視野を狭めてしまうと、そういった可能性に気づくのが遅れてしまうのです。

 

好きな商品と仕事のミスマッチ

私が入社した会社での経験で、もう一つ気づいたことがあります。それは、好きな商品を扱う仕事が、必ずしも自分に合っているとは限らないということです。

 

私はスマートフォンが好きで入社しましたが、実際に配属されたのは経理部門でした。確かに、好きな会社で働いているという満足感はありましたが、日々の業務は数字との格闘。私が憧れていた製品開発や企画とは全く関係のない仕事でした。

 

これは多くの人が陥りがちな落とし穴です。好きな商品を扱う会社だからといって、必ずしもその商品に直接関わる仕事ができるわけではありません。大企業であればあるほど、様々な部門があり、自分の想像とは全く異なる仕事に就く可能性が高くなります。

 

むしろ重要なのは、自分のスキルや適性に合った仕事を見つけることです。好きな商品を作っている会社でも、自分に合わない仕事をしていては、長期的なキャリア形成の観点からはマイナスになりかねません。

 

業界の将来性と自己成長の機会

就職先を選ぶ際に考慮すべき重要な要素として、業界の将来性と自己成長の機会があります。私の場合、スマートフォン業界は確かに成長産業でしたが、その中での自己成長の機会は思ったほど多くありませんでした。

 

一方で、学生時代にはあまり興味がなかったIT業界で働いている友人を見ると、常に新しい技術を学び、スキルアップの機会に恵まれているようでした。彼らは必ずしも「好き」から選んだわけではありませんが、業界の将来性と自己成長の機会を重視した結果、充実したキャリアを築いています。

 

つまり、「好き」という感情だけでなく、その業界が今後どのように発展していくのか、そしてその中で自分がどのように成長できるのかを考慮することが大切です。時には、学生時代には興味がなかった分野でも、実際に働いてみると面白さを発見することもあるのです。

 

価値観のマッチングの重要性

就職先を選ぶ際に、私が今特に重要だと考えているのは、会社の価値観と自分の価値観のマッチングです。これは、単に好きな商品を作っているかどうかとは全く別の問題です。

 

私の経験から言えば、会社の理念や文化、働き方に対する考え方が自分と合っているかどうかが、長期的な満足度に大きく影響します。例えば、ワークライフバランスを重視する人が、長時間労働が当たり前の会社で働いても幸せにはなれません。逆に、仕事に全力で打ち込みたい人が、定時退社が徹底されている会社では物足りなさを感じるかもしれません。

 

これは、就職活動中にはなかなか気づきにくいポイントです。しかし、インターンシップや会社説明会、OB・OG訪問などを通じて、できるだけ多くの情報を集め、その会社の価値観や文化を理解することが重要です。好きな商品を作っているかどうかよりも、むしろこの価値観のマッチングこそが、長期的なキャリアの満足度を左右する大きな要因になると私は考えています。

 

広い視野を持つことの重要性

ここまで、「好きだから」という理由だけで就職先を選ぶことの問題点について述べてきました。では、どのような姿勢で就職活動に臨むべきなのでしょうか。私が最も強調したいのは、広い視野を持つことの重要性です。

 

学生時代の私は、自分の好きな商品しか見ていませんでした。しかし、社会に出てみると、世の中には実に多様な業界や仕事があることに気づきました。BtoB企業や、普段目にしない産業の中にも、実は非常にやりがいのある仕事がたくさん存在しているのです。

 

例えば、私の大学の先輩に、製造業の中小企業に就職した人がいます。学生時代の彼女は、有名企業志向が強く、中小企業なんて考えもしませんでした。しかし、就職活動を通じて様々な業界を見る中で、その会社の技術力と成長性に魅力を感じ、入社を決めたそうです。今では、世界に誇る技術を持つその会社で、やりがいを持って働いています。

 

このように、自分の「好き」だけにとらわれず、様々な業界や企業を幅広く見ることで、思わぬ可能性に出会えることがあります。就職活動は、単に職を見つけるだけでなく、自分の可能性を広げるチャンスでもあるのです。

 

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まとめ 自分に合った仕事を見つけるために

最後に、これまでの内容をまとめ、就職活動に臨む際のアドバイスを述べたいと思います。

 

確かに、好きな商品や業界に携わることができれば、それは素晴らしいことです。しかし、それだけを基準に就職先を決めるのは危険です。むしろ、以下のような点に注目することが大切だと私は考えています。

 

  1. 職場環境と自分の価値観のマッチング
  2. 業界の将来性と自己成長の機会
  3. 自分のスキルや適性に合った仕事内容
  4. 会社の理念や文化との共感
  5. 長期的なキャリア形成の可能性

 

そして何より、広い視野を持つことが重要です。自分が知っている、好きな商品や業界だけでなく、様々な可能性を探ることで、思わぬ出会いや発見があるかもしれません。

 

就職活動は確かに大変で、不安も多いと思います。でも、それは同時に自分の可能性を広げるチャンスでもあります。「好きだから」という単純な理由だけでなく、多角的な視点で就職先を選ぶことで、きっとより充実したキャリアを築くことができるはずです。

 

私自身、最初の就職では失敗したと感じましたが、その経験を通じて学んだことは多くありました。皆さんも、広い視野を持ち、自分にとって本当に大切なものは何かをよく考えながら、就職活動に臨んでください。きっと、素晴らしい出会いと充実したキャリアが待っていると信じています。

 

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