三井物産が22年ぶりに商社首位奪還するというようなことがニュースになっていました。
その中身を見ると利益で首位に返り咲くということ。
利益では伊藤忠を抑えて首位に立つということだそうです。
就職という点で見ると三菱商事がトップだと思っていたのですが、利益ベースだと異なるということなんですね。
商社の場合は4大商社がかなり拮抗していて、どこに就職したとしてもキャリアとしては超一流というイメージがあります。
今回は三井物産が利益面ではありますがトップになる変化があったということで、就職面における時代の変化ということについて話をしたいと思います。
就職でトップにこだわる理由はあるのか?
就職活動をするとどうしても業界順位というのは気になるものです。
できれば業界1位の起業に入りたいと思いませんか?
なんだか2位、3位の会社に入ってしまうと、トップの会社に入れなかったからこちらに来たんだというような見方をされてしまう、自分でもそう感じてしまうこともあったりしないでしょうか。
もちろん2位の企業に入って1位の企業を追い詰め、追い越していきたいと考える人もいるでしょうし、それもありだと思います。
業界順位等に関係なく、特定の企業が気に入ってそこに決めるという人もいると思います。それもその人が納得していえば問題はありません。
むしろ業界順位で入社する企業を決める方がよほど不健全です。
トップ企業に入ろうと2位の企業に入ろうと結局はその後どうかということが人生の分かれ目になってきますし、どこの会社かで決まるというものではありません。
いくらトップ企業に入ろうとその会社で出世できなかった、落ちこぼれてしまったというのであれば、違う道を選んだ方が良かったとなるかもしれません。
業界トップの会社に入社したからといって決してそれで終わりでもありませんし、そうでなくてもそこから社内での立場が変わっていく、会社自体も逆転現象が起こるなんてことは普通にあるのです。
出世をするまでのかかる時間と変化
会社に入っても、その会社の本当に良い待遇を得るためにはその会社内で出世していくことが必要になります。
新人の頃はどの会社に入っても極端な待遇の差というのは一般的にはないでしょう。
待遇に差が出てくるのは新卒入社でも30歳以降だったりすることが多いですし、そうでなくても出世してからの話になることも多いです。
転職をしないで新卒でその会社に入って頑張っていくという前提で考えると、自分が偉い立場になる、管理職になり、もっと上の立場になるという頃には、20年近くの年月が経過してしまいます。
さすがにそのくらいの期間が経過すれば時代が変わってきてしまいます。
今回の商社であればかなりの長期間存続していますが、会社によっては会社自体が無くなってしまう、吸収・合併されてしまうということもあるかもしれません。
また会社は残っていても、その業界自体が廃れてしまうようなケースもあります。
新卒のときにトップ企業に入ったからといって、安泰でもなければ、その中で活躍することができなければ、その後はかなり厳しくなってしまいます。
ようやく立派なポジションに着くころには時代が変わってしまってそのときの魅力はなくなっている、業界順位も変わっている。そういうこともあるということで、単純に順位だけで今後もずっとそうだと判断しないようにしておきたいものです。
トップ企業に入ることのメリット
トップ企業に就職してもそんなに意味はないということなのでしょうか?
ここまでの話だけであればそう考えてしまうかもしれませんが、トップ企業に入ることは大きな意味もあります。
これは総合商社の場合はそれぞれが拮抗しすぎているので比較対象としては異なるかもしれませんが、他の一般的な業界ではトップ企業のメリットがかなり大きかったりします。
それは給料・福利厚生・ブランドというようなところです。
給料・福利厚生というのは生活に直接関わってくるようなところで外すことはできません。給料が低くてもやりがいがあればいい等の事もありますが、あまり綺麗ごとだけでは働き出すとそうも言っていられないことも起こります。
トップ企業に入れば一般的にはトップ企業としてのプライドもあり、給料等もトップのレベルになっていることが多いです。明らかに下位企業とは給料ランクが異なる会社も多くあります。その分入社レベルも違ってきて集まる人材も全くレベルが変わるということもあります。
会社のブランドというものも大きいです。トップ企業ということはその業界内の最大のブランドを持っているということ。ブランドを一度キャリアの中で身につけるということはその後の人生において有利となる点も出てくるかもしれません。
転職で有利という面はある
業界トップ企業に就職するということはその後の転職活動においても有利になる側面はあるでしょう。ブランドがあるということも言いましたが、転職市場においては勝負となるのは職務経歴書と面接であり、普段の行動というところまでは相手側は把握しようがありません。
そのためもともと大企業に在籍していた、業界のトップ企業で働いていたということはそれだけ優秀な人だというイメージを与えやすいです。本当はどうかはわかりませんし、就職のときに優秀だっただけでその後はよくないこともあるかもしれません。
それでも無名企業や業界下位出身の人と比べてもアドバンテージは大きくあるのかなとも思います。
結局自分をどのように見せるのかというのが大事になってくる場において業界トップのブランドを持っているということは大きなメリットとなってくるのです。
また自分自身としても実際にトップ企業の中で働いた経験というのは、トップクラスの中でまわりにどういう人がいて、どのように仕事を進めているのかということを見ることを経験することになるので、今後のキャリアとしても役に立つ部分が多く出てくるでしょう。
自分自身でやっていける能力をつける
トップ企業を目指すべきか、それとも気にしないべきか。これはそう単純に選べるような話ではありません。
就職活動はトップ企業かどうかというのが主要な判断軸になるわけではありませんし、自分が何をやりたくてどの業界を狙っていくのか、会社のどのような部分を見て判断していくのかということが大事になります。
最終的には業界の地位であったり、会社の知名度やそのポジションだけではなく、自分自身でどこでもやっていけるようなスキルを身につけるというのがいいのではないでしょうか。
会社の地位であったり、会社のブランド・ポジションを最初は利用しつつも、最後は自分自身がどこでも通用する人間になる。
そうしないとこれからの人材流動化の社会では生き残れなくなりますし、今の会社もいつまでもあるかわからないという中で、いつまでも安全なポジションにいることはできません。
自分自身が価値があると認められるような動きをどれだけできるのか。これが今後の運命を分ける鍵になるのではないかと考えます。